あいトリ検証委員会は、慰安婦像が現代美術作品だと言うつもりだろうか

9月17日「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」第2回会合が行われた。「平和の少女像」(慰安婦像)に関しては、岩渕潤子氏による検証報告があった。

 

「海外では、日韓関係とは無関係にフェミニズム・人権運動の象徴とされる。(例えば、元カリフォルニア州判事ジュリー・タン氏は「この像は、戦争時の性暴力からの女性の解放という現代に続く問題を象徴するもの」と発言)また、韓国では各地に存在し、いわゆる民衆美術として民族統合のシンボルとして広く親しまれている。」「一部の在米日本人が抗議しているが、現地での支持は限定的。」と資料に記述されている。
会合の発言では、「「慰安婦像」という呼称を使っているのは現時点で日本だけ」と語った。

 

色々な疑問が浮かぶ。「“慰安婦”正義連盟」を作り、慰安婦像設置を行ったジュリー・タン氏の発言を、第三者の発言と誤解されかねないような引用をするのはなぜ?在外日本大使館や領事館が設置を反対し、姉妹都市解消まで起きたのに、海外では慰安婦像が受け入れられているという一般化を行えるのか?

 

岩渕潤子氏は「慰安婦問題」に対してどのような姿勢なのか調べてみると、2015年にTwitterで「世界が「謝罪しない日本」の異常さに注目して、日本はどんどん孤立しています。日本人女性であれ、外国人女性であれ「性奴隷を容認する国」である日本がいくら人権や平和を謳っても誰も信用しないでしょう。」と書いている。

 

現在の岩渕氏の慰安婦像に対する見解は不明だが、少なくとも検証委員会の報告内容としてはバイアスをかけすぎている。

 

海外で慰安婦像が広く受け入れられているなら、なぜ「不自由展」に出品したのか?慰安婦像を認めない安倍政権を批判するため?

資料に「現実の日本の政治や政党を直接的に批判、或いは、礼讃するものはない。」と検証委員会自身が書いていることと矛盾する。

 

検証委員会はもう一度真剣に考えて欲しい。慰安婦像設置は外交問題である。「少女像を展示することは、ソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去を日本政府が求めている主張の正当性を愛知県庁として否定することになるのではないか。」という問いに正面から答える責任がある。

 

そして「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」を名乗る以上、「慰安婦像は現代美術作品なのか」、または「慰安婦像が国際美術展に展示される意義があるのか」について、美術史や外交史を踏まえて語って欲しい。もちろん韓国の政治家が慰安婦像の造形を考え、韓国の政治団体「挺対協(現:日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)」の依頼によって作られたことも踏まえて。

 

 

 参考

 

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/255844_859315_misc.pdf
「これまでの調査からわかったこと」第2回あいちトリエンナーレのあり方検証委員会 2019年9月17日

・海外では、日韓関係とは無関係にフェミニズム・人権運動の象徴とされる。(例えば、元カリフォルニア州判事ジュリー・タン氏は「この像は、戦争時の性暴力からの女性の解放という現代に続く問題を象徴するもの」と発言)また、韓国では各地に存在し、いわゆる民衆美術として民族統合のシンボルとして広く親しまれている。

世界における平和の少女像について
アメリカでは、韓国コミュニティが設置するものが多い。一部の在米日本人が抗議しているが、現地での支持は限定的。

・一部の日本人が抗議に訪れるたびにメディアの注目を集め、若い世代の韓国系米国人のアイデンティの回復や、薄れつつあるコミュニティの結びつきを深める結果をもたらしているとも言われている。

韓国における平和の少女像
反日の象徴というより、抽象的な民族運動の英雄として誰も反対しないシンボルである。

・「最近はミニ少女像を自室に置いたり、関連のアクセサリーを購入したりするのが流行している」「市民が自発的に(過去の歴史を)記憶するため消費するのは、新たな社会参加の形だ」と評されている。

 

https://togetter.com/li/709062

『ヴァティカンの正体』筑摩新書/岩渕潤子 @tawarayasotatsu
世界が「謝罪しない日本」の異常さに注目して、日本はどんどん孤立しています。日本人女性であれ、外国人女性であれ「性奴隷を容認する国」である日本がいくら人権や平和を謳っても誰も信用しないでしょう。 2015-04-23 10:40:42

 

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