結局慰安婦像展示の是非を検証しなかった、あいトリ検証委員会

あいトリ検証委員会最終報告(案)では「平和の少女像」(慰安婦像)について、中間報告書と同じ記述になっている。

 

検証ポイントに自ら「少女像の展示は、ソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去を日本政府が求めている主張の正当性を否定することにつながり不適切ではないか。」としておきながら、論理的な検証をせず、展示意図を説明しないと「誤解を与える」としか述べていない。

 

なぜ慰安婦像の展示が問題化したのかについて、「誤解」という結論なのだ。

 

全体所見では、「反知性主義」の存在が可視化された、表現の自由の定義などを「啓蒙していく必要があろう」、としており、ずいぶん高いところから一般国民にご高説下さっている。

 

他国のプロパガンダを許容することが知性主義なのだろうか?

 

そして、あいトリ検証委員会や左よりのメディアが、話題となった3作品を不可侵の芸術作品と認定したことで、安っぽい肖像毀損や芸術風のヘイト表現が作られ始めた。3作品の無条件擁護派は、あいちトリカエナハーレ2019「表現の自由展」や、「北海道・表現の自由と不自由展」における、肖像毀損やヘイトまがいの作品を、論理的には否定することはできない。

 

芸術や表現に関する抗議を、短慮にも電凸や炎上などと結び付けたせいで、芸術と名乗れば何でもできるような状況を作ってしまった。

 

慰安婦像が芸術作品という体で作られたのはそれが目的である。慰安婦像のデザインを考えたソウル市鍾路区のキム・ヨンジョン区長も「碑石よりも芸術作品としての像が良い」と述べている。

 

見事に挺対協(現:日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)に乗せられてしまった、あいトリ検証委員会なのだった。

 

 

参考

 

https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20160128030/
2016年1月28日、韓国・ソウル新聞によると、在韓日本大使館前の慰安婦像の移設問題をめぐり、同地の自治体首長が「芸術作品であるから移転・撤去はない」と述べた。

 

日本大使館があるソウル市鍾路区の金永椶(キム・ヨンジョン)区長は27日、同紙のインタビューで「少女像(慰安婦像)を移転・撤去する計画はなく、また、あるわけがない。(移転は)国民的な合意によりなされるべき事案」と述べた。金区長自身は建築が専門。11年の慰安婦像設置の際には「碑石よりも芸術作品としての像が良い」と提案し、形状や名称についてもアドバイスしたと明かした。芸術作品であれば、道路法上の道路占有許可の対象とはならず、また設置された道路が鍾路区の所有である以上、区や設置主体の意思に反し強制的に撤去することはできないという。