慰安婦像の芸術性は十分に検証されていない

あいトリ検証委員会が、「平和の少女像」(慰安婦像)に関する国内での受け止め方を少しずつ検証し始めたが、慰安婦像の芸術性に対する検証が十分に行われていない。

 

もし、展示を再開することで議論を深めたいと考えているなら、「慰安婦像の芸術性については検証しない」とはっきり宣言して欲しい。そうしなければ、「再開されたから慰安婦像の芸術性は公的に認められた」と左寄りのマスコミが書き立てるのは目に見えている。

 

そもそも、慰安婦像が国際現代美術展での美術史的な批評に耐えうることを、作者と実行委員会は説明する必要があった。慰安婦像が「政治的プロバガンダの道具」ではなく「アート」であることを、多くの観客が納得のいくように丁寧な説明をしなければならない。現状では、韓国において政治的プロバガンダの道具として扱われ、日韓の外交問題になっている以上、極めて慎重かつ論理的に言葉を尽くさなければ現代美術の文脈に乗せられるはずがない。短いキャプションと、展示中止後の「表現の自由」に関する抗議だけでは、慰安婦像の芸術性は何も分からず、展示そのものが目的化しているとしか思えない。

 

あいトリ検証委員会は「政治的プロバガンダの道具」か「アート」かを、観客の解釈の話に持って行こうとしているが、それは最後にすることだ。今は、作者、実行委員会、芸術監督を含めた事務局が、慰安婦像の芸術性を説明しなければならず、検証委員会はそれを出来ていないことを指摘するべきだろう。

 

そうしなければ、「少女像を展示することは、ソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去を日本政府が求めている主張の正当性を愛知県庁として否定することになるのではないか。」に答えることはできないはずだ。「慰安婦像が国際美術展に展示される意義があるのか」に答えを出せなければ、政治的プロバガンダの道具として扱われている現状を覆すことはできない。当然、「あいちトリエンナーレ 2019」に慰安婦像は展示すべきではない。

 

 

慰安婦像に関して、明らかになっていない重要な点がある。慰安婦像の本当の制作主体はだれなのか?という点だ。

 

「あいちトリエンナーレ 2019」にも作家本人が制作作業を行っていない作品があるように、アイデアや制作の指示を出すことで、現代美術作品の作者になることができる。

 

道路占有許可の対象とならないよう慰安婦像の具体的な造形を考えたのは、キム・ヨンジョン ソウル市鍾路区長。像の制作依頼をして、資金を出し、設置したのは韓国挺身隊問題対策協議会(現:日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)。実際に制作を行ったのが彫刻家夫婦である。慰安婦像を現代美術の文脈で考えるなら、作者は挺対協になる。

 

検証委員会が言うように、慰安婦像が「関係性のアート」なら、在韓日本大使館前の集会で行われるパフォーマンスも、挺対協によるリレーショナル・アートということになるのだろう。そして、観客が椅子に座って目の当たりにするのは、在韓日本大使館である。検証委員会は、「現実の日本の政治や政党を直接的に批判、或いは、礼讃するものはない。」としていたが、同一作品である「あいちトリエンナーレ 2019」の慰安婦像からは、在韓日本大使館への思いを感じ取らなくてもいいのだろうか?

 

慰安婦像は芸術性よりも政治性の方が強すぎるのだ。「不自由展」の騒動によって、日本中が挺対協と不自由展実行委員会の岡本有佳氏の狙いに、まんまとのせられてしまっている。

 

彼らは、2015年に「最終的かつ不可逆的に解決」したはずの慰安婦問題を再燃させることができたし、海外には「日本が慰安婦を否定している」「日本の美術界はテロや政府の圧力に屈する」というイメージを広めることができた。これは明らかな政治運動である。検証委員会の報告も待たずに、展示再開を求め地裁に仮処分申請をする手際の良さ。マスコミを呼んで地裁に向かう様子を撮影させるパフォーマンスをするよりも、事務局と話し合いをするべきではなかったのか?

 

この騒動の渦中にいる実行委員会の意図に、展示再開を願う団体や、大手マスコミは触れようとしない。慰安婦像が政治的プロバガンダの道具であることが、明らかになってしまうからだろう。

 

 

参考


https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20160128030/
レコードチャイナ 2016年1月28日
日本大使館があるソウル市鍾路区の金永椶(キム・ヨンジョン)区長は27日、同紙のインタビューで「少女像(慰安婦像)を移転・撤去する計画はなく、また、あるわけがない。(移転は)国民的な合意によりなされるべき事案」と述べた。金区長自身は建築が専門。11年の慰安婦像設置の際には「碑石よりも芸術作品としての像が良い」と提案し、形状や名称についてもアドバイスしたと明かした。芸術作品であれば、道路法上の道路占有許可の対象とはならず、また設置された道路が鍾路区の所有である以上、区や設置主体の意思に反し強制的に撤去することはできないという。


https://www.mk.co.kr/news/politics/view/2017/01/32951/
毎日経済 2017.01.14
区長当選前の26年間の建築家として働いた。その経験をもとにゼオライトの許可は難しいが、芸術作品に分類すると、法的な問題を回避することができると挺身隊問題対策協議会に助言したものである。

黒短い髪に白いチョゴリ、黒のスカート、木椅子とその隣の空の椅子、15度振り上げ見えて大使館を見つめる視線など、現在の少女上の基本コンセプトも、彼した。日本の真の反省を待つという意味で少女上の名前を `待つ`でしようとも提案した。(機械翻訳

 

 

nikkan.hateblo.jp